・慢性湿疹・手湿疹 脂漏性皮膚炎
慢性湿疹や手湿疹には、ステロイド軟膏が使用されます。つけたときは一時的に良くなりますが、結局、何度も悪化を繰り返します。完治をめざすのであれば、この方法では不十分です。ピーリングや免疫レベルの調節を組み合わせていくことがポイントです。 脂漏性皮膚炎は、ステロイドローションとイオウ入りローションの交互使用がお奨めです。 |
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慢性湿疹・手湿疹 | |
脂漏性皮膚炎 |
・慢性湿疹・手湿疹
一般的には、ステロイド軟膏が、増悪時を中心に、長期間にわたって用いられます。 この方法は、あくまで対症療法です。 ステロイド軟膏だけですと、この「ぐるぐるサイクル」から抜けることはできません。 慢性湿疹や手湿疹を、一時的に抑えることができても、ステロイド軟膏だけで完治させるのは困難です。 湿疹に感染を合併しているときには、ステロイド軟膏はつけません。 まず、抗生物質の軟膏や経口薬で、その感染を最初に治療する必要があります。 感染が十分落ち着いたことが確認できたら、ステロイド軟膏をつけます。 赤みがひいたら、ステロイド軟膏は、つけることをやめます。 赤みが消失しても、さらにステロイド軟膏をつけ続けると、皮膚が薄くなるなどの副作用が生じます。 当院の慢性湿疹・手湿疹の診療では、非特異的IgE抗体が高いかどうか、あるいは特異的IgE抗体があるかどうかをまず確認します。 アレルギー機序に基づく湿疹だけの方の場合は、細胞性免疫が活性化すると、湿疹は消退する方向に向かいます 慢性湿疹は、単なるアレルギー性の炎症だけでなく、部分的にHPV感染を合併している場合も少なくありません。 このような場合には、アトピー性皮膚炎の項で示したような当院オリジナルの治療法を、お勧めしています。 step1は、イオウ入りサリチル酸ワセリン等を使用して、がさがさ、ざらざらを減らします。 (=HPV量を減らします。) step2は、細胞性免疫活性化を図ります。 残っているHPVの排除が進むとともに、皮脂欠乏が改善して、皮膚がしっとりするようになっていきます。 step2に、進む際には、詳細な説明文書を予めお渡ししています。 納得・同意されて、ご署名された方のみ、step2に進むことができます。 長年にわたる慢性湿疹・手の湿疹に悩んでおられる方は、この方法にトライされることをお勧めします。 ☆ 職業的には、理容師・美容師・看護師などの方は、手湿疹の頻度が高いです。 手洗いの頻度が多いことも誘因の一つと考えられます。 皮膚表面の皮脂が無くなる⇒皮膚のバリア機能が低下することが関与しています。 亜鉛欠乏を合併している場合には、慢性湿疹・手湿疹は、より治りにくくなります。血清亜鉛濃度を測定して、適度な亜鉛補給を行うことが大切です。 ※ 血清亜鉛濃度は、「空腹時・午前中」の測定が基本です。午後に測定すると値が低くなりますので、その場合は、補正式を用いて、値を判断しています。 アルコールの手指へ刷り込みについては、 手湿疹の方が、これを頻回に行うと、痛みが強くなり、手湿疹は増悪します。 当院の方法により、手湿疹の完治を目指すことをお勧めします。 なお、すでに皮膚の中に、HPVが入っている場合は、アトピー性皮膚炎の項に記しましたように、経過中、一時的に赤くなったり、かゆみが強くなる皮膚反応が生ずることがあります。 その場合は、ステロイド軟膏を適度に使用して、その強さをコントロールする必要があります。 ・脂漏性皮膚炎皮脂分泌の活発な頭部や顔面に出現する皮膚炎です。 マラセチア属(皮膚常在酵母菌)が、病気の原因に関与しています。 乳児型と成人型があります。 成人型は、頭部にふけや紅斑が見られます。 石鹸による洗顔、シャンプー(成人型では、抗真菌薬入りを使用)を適切に行うことが必要です。 マイルドなステロイド薬外用薬、抗真菌薬が用いられます。 当院では、頑固な成人型の脂漏性皮膚炎に、ステロイドローションとイオウ入りローションを交互に使用して効果を上げています。 (具体的な使用方法は、来院時にご説明します) 体質改善の併用も、効果があります。 |