・関節リウマチ
関節リウマチの治療のポイントは、禁煙、定期的な口腔ケア、適度な運動、体重コントロール、最適な薬剤の組み合わせを見出すこと、合併症の評価と対策、特定の潜在的感染症の有無の評価、などがあげられます。 |
関節リウマチとは | |
病気の原因 | |
関節リウマチに関連する自己抗体 | |
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平日受診のお願い |
・平日受診のお願い
関節リウマチの方の診療は、複雑であり、非常に時間がかかるため、平日にてお願いしています。
(土曜日は、非常に混みますので、十分診察の時間をお取りすることができません。土曜日は予約できません)
・関節リウマチとは関節がはれて痛む病気のうち、最も頻度が高い疾患です。 まず、関節リウマチであるかどうか、正確に診断をつけることが大切です。 50歳前後の女性では、更年期に伴う関節症状や変形性関節症といった疾患も起こりやすいので、鑑別することが必要です。 ・病気の原因発症には、遺伝が関係するもの(先天的因子)と、後天的因子があります。後天的因子の代表的なものは、喫煙歴あり(=たばこを吸ったことがある)です。 たばこを吸っている方は、まず、禁煙することが非常に重要です。 日本人の男性のリウマチ患者の8割に喫煙歴があります。 禁煙を十分に行わないまま、関節リウマチの治療を行うことは、ザルで水をすくおうとすることと同じです。 禁煙はリウマチ治療の基本です。 喫煙が関節リウマチの発症と死亡率の上昇に関与していることは、世界的には、十分認識されています。 関節リウマチを発症した時点で、ただちに禁煙すると、そのまま喫煙を続けるより死亡率が改善することが示されています。Sparks, Arthritis Care Res 70:19, 2018 日本で、このことがあまり認識されていないのは、関節リウマチに関係する学会が、いまだに「禁煙キャンペーン」を行っていないことにも一部の責任があります。 関節リウマチのある方と血縁のある方(=遺伝的背景が共通している可能性があるため)も、禁煙することが望まれます。 先天的因子と後天的因子が両方あると、関節リウマチの発症する危険が、一層高まるためです。 「特定の遺伝子-喫煙相互作用(specific gene-smoking interaction)」といわれています。 喫煙は、関節リウマチにおける間質性肺炎、COPD、悪性腫瘍、心血管合併症、骨粗鬆症などの喫煙関連疾患の合併にも深く関与しています。 喫煙以外の発症に寄与する外的要因 歯周病、シェーグレン症候群、副鼻腔炎・慢性気管支炎・気管支拡張症、慢性扁桃炎、気管支喘息、結晶性シリカへの暴露(オッズ比 2.59倍)、肥料への暴露、溶剤・塗料・繊維粉塵への暴露、アレルギー性鼻炎、女性、加齢、腸内細菌の乱れ(プレボレラ・コプリ菌の増加など)、なども関節リウマチの発症に関与します。 交通量の多い道路のそばに住むことも、関節リウマチ発症の危険因子となります こういった一緒にある環境・疾患にも気を配る必要があります。 なお、授乳は、関節リウマチ発症の危険因子(オッズ比4.8)となり、特に長すぎる授乳(母乳を17カ月以上与える)で顕著です(Swedenの報告)。 オッズ比9.5 (一方、米国の研究においては、授乳は、関節リウマチのリスクを低下させるという報告もあります)。 未産(お子さんを生んでいないこと)も、関節リウマチ発症の危険因子と報告されています。 肥満は、関節リウマチ発症の危険因子となります。肥満があると、関節リウマチ発症までの期間を短縮してしまいます。 関節リウマチの方は、低亜鉛血症の頻度が高いです。血清亜鉛濃度を測定し、サプリメントや処方薬などにより、基準値内の血清亜鉛濃度を保つことが大切です。高齢になると、亜鉛欠乏の頻度・程度が上昇します。皮膚も、かさかさし、薄くなってきます。特に人工関節などを予定されている方は、手術前から、しっかり亜鉛補給を行っていくことが大切です。 食事 炭水化物 砂糖(ブドウ糖+果糖)、ブドウ糖・果糖・液糖などは、自己免疫や炎症を促進します。これらは、スイーツ、菓子、清涼飲料水等の中に多く含まれています。甘い果物(果糖が多い)も要注意です。 口の中に入れて、すぐに甘味を感じる食べ物や飲み物(甘味料入り飲料 SSB)は、控え気味にすることが望ましいです。 炭水化物は、全粒穀物の形でとることが推奨されます。 タンパク質 成長期を過ぎている方は、タンパク質は、特に、牛肉、豚肉は、控え気味にしたほうがよいです。ヒトの体内には、2種類のシアル酸があります。Neu5Ac と Neu5Gc です。 ヒトは、Neu5Gcを合成することはできません。 ヒトの免疫系は、ヒトの体内に発現したNeu5Gcを異物として認識します。 ヒト体内に抗Neu5Gc抗体が産生されます。 Neu5Gc と抗 Neu5Gc抗体の相互作用によって
誘発される 「動物由来シアル酸に対する炎症」 が 慢性炎症を促進し、癌の進行や動脈硬化を引き起こす可能性があります。 ・関節リウマチに関連する自己抗体 |